ブロードウェイには、たった5か月で打ち切りになったミュージカル 『ロッキー』のような作品もあれば、25年間もロングランを続けているミュージカルもあります。

25周年の節目を迎えたオペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)に、新風を吹き込んだのがノーム・ルイス(1963年6月生)さんです。


ノーム・ルイスさんは、ロンドン25周年『レ・ミゼラブル』コンサートでジャヴェールとして出演されていた方です。
ロンドン25周年『レ・ミゼラブル』はずいぶん聴いていたので、私の脳内ではジャヴェールといえばノームさんというくらいインプリンティングされています。

お客さんの80%が白人といわれるブロードウェイ、観るなら白人がいいという方が多いのも事実です。
そのため、『ミス・サイゴン』ブロードウェイ公演では、アジア人の役を白人が演じたということで物議を醸したこともあります。

そんなブロードウェイで、黒人のノームさんがファントムを演じるというのですから大ニュースになりました。
この大抜擢をしたのはキャメロン・マッキントッシュだという噂です。

マスコミはこぞってニュースにし、一時落ちていた客足が客席占有率90%にまで回復したというのですから、サー・マッキントッシュの思うつぼというところでしょう。
ノームさんは、これでBWを代表するバリトン歌手として知れ渡るようになるかもしれませんね。


低音の魅力さすがです~♪

ブロードウェイで興業にかけられるミュージカルの約8割が初期投資を回収できないといいます。
それなのに、『オペラ座の怪人』はここまでロングランを続けて興収1000億円!
ストーリーや音楽がとっても魅力的なミュージカルですが、それだけでなくサー・マッキントッシュの采配も大きいのかも…。

こちらでブロードウェイのBroadway Grossesをチェックできます。
これで、チケッツ(TKTS)で激安チケットが出るかどうかチェックするのもいいですよ。
http://www.broadwayworld.com/grosses.cfm#.VAMhFfl_vyS

黒人のノームさんが大抜擢されるのもすごいですが、一度観て評価しようという観客が増えたのは時代の流れというものなのでしょうか。
それとも、それがブロードウェイの懐の深さ、またはミュージカルへの愛なのかも。

ブロードウェイでは、9月9日から公演が始まるミュージカル『シンデレラ』でも 史上初の黒人シンデレラが誕生します。 
  

先頃、日本の『レ・ミゼラブル』でも東宝とサー・マッキントッシュにより大抜擢が行われました。 
今度は、日本の観客が試されているのかもしれませんね。
試されているといっても何も難しいことではないと思います。
観ずに批判しないこと、観て悪ければブーイング、良ければブラボーと言えばいいだけです。